博多座の12月は市民檜舞台の月です。
先週末は日本舞踊協会福岡県支部の設立30周年記念日本舞踊公演が昼夜2回公演で盛大に取り行われました。
日本舞踊協会福岡県支部は福岡県在住の舞踊家の方々が芸道向上、伝統文化発展に寄与することを目的に設立され今回30周年を迎えられました。
今公演には吾妻流、泉流、櫻柳流、高濱流、花柳流、坂東流、藤間流の7流派が揃って出演され素晴らしい古典舞踊の数々を披露されました。又、特別出演で花柳流家元五代目花柳壽輔師と泉流家元三代目泉秀樹師が会に華を添えられました。
今回の中年親父のブログは、どちらかと言うと舞台裏の方を中心に紹介させてもらいます。
背景幕を吊りこんでいるところですが、背景幕にしわが入らないように幕の下端に重石の鉄パイプを差し込んでいます。
舞台で昇降する迫の下部分に特別に描いた布のケ込を打ちつけて固定しています。
舞台上に所作台を敷き込んでいます。これは立ち方が舞台面に登場してくるための迫用の所作台を本番途中で絶対にずれないよう1枚ずつ固定している作業です。
先程の絵が描かれた迫が舞台上部に上がった場面です。
迫の中に屋形船を仕込んで、立ち方さんと障子の開閉をする大道具さん達も一緒にスタンバイしています。
幕開きで屋形船が舞台下部から迫上がってくる演出です
常磐津「関の扉」で傾城墨染が登場する小町桜の裏側です。写真では分かり辛いですが幹の内部に照明器具が仕込んであり、きっかけで明かりが点くと桜の幹から立ち方が浮かび上がるように見えます。
浮かび上がって見える場面です。この場面以外は桜の幹にしか見えません。
同じく「関の扉」の幕開きで浅葱幕を振り落とすところです。2枚に分かれる上下の幕の中に大道具さんが4人ずつ入って振り落とされた幕を体を見えないようにしながら速やかに運び去ります。簡単な事のようですがこれも経験が必要で慣れない者が加わると落ちてきた幕を足で踏んづけたりして前の方の人が転びそうになったりすることも有ります。
「関の扉」の幕切れで上手から下手に向かって幕引き担当の大道具さんが定式幕を閉めてきている所です。
松羽目を飾り込んでいます。囲い見切りを取り替えたり長唄さんと鳴り物さん(囃子方)が乗り込む山台を正面に作り替えないといけないので大勢の大道具さん達が一斉に動いて転換しています。
飾り込まれた松羽目と正面山台です。
長唄「鷺娘」の幕切れで大量の雪を降らせています。今回かなり降らせたので舞台上手の出囃子さんの太鼓の上にも雪を積もらせてしまいました。
本番終了後、大道具の撤去作業が終わり、最後の作業が迫の隙間から落ち込んだ雪の掃除です。地道にうちわで煽いで取り除いています。
と言う訳で今回は裏方ばっかりになってしまいましたね。せっかく素晴らしい踊りを披露された福岡県支部の皆様方を紹介せずに申し訳ありませんでした。
今後ともよろしくお願いしま~す!!
それから多分、親父のこのペースだと年内のブログ更新はこれで最後かなと思われます(苦笑) と言う訳で皆様も良いお年をお迎えくださ~い。来年もよろしくお願いしま~す!!!