福岡シティ川副バレエ学苑の創立60周年の記念公演が先日福岡サンパレスにて開催されました。
60年前と言いますと私も生まれていないし、我が社もまだ創業されていません。
とてもここで簡単に記することはできない大変長い歴史があります。学苑関係者のみなさん本当におめでとうございます。これからもますますのご活躍を祈念いたします。
さて今回の記念公演ですが特筆すべきは「ラ・シルフィード」の全幕を行うと言うことです。
この作品は国内でもめったに全幕で公演されることはありません。我が社も今回初めて「ラ・シルフィード」の一幕の居間のセットを製作しました。
ご存じない方に少し説明しますと「ラ・シルフィード」は現在のトゥシューズで爪先立ちで踊る技術(ポアント)を芸術的に取り入れた最初の作品です。
内容もシルフィード(空気の妖精)が人間の男性と恋に落ちるという不思議なお話なので、舞台装置もシルフィードが妖精に見えるように、これでもかと言うほどの仕掛けがちりばめられています。
洋の東西はありますが歌舞伎の先代猿之助が演じていたような大変ケレン味の有る作品で見る者を飽きさせません。
と、書くのは簡単ですが、それはそれは裏で働く大道具さんを始めスタッフは大変でした。ダンサーの方に絶対怪我をさせてはいけないので、とにかく安全面に気を配りながら、できるだけ目立たないようにと製作場のスタッフが何度も試作を重ね装置を作り、また舞台でも何度もテクニカルリハーサルを行いました。
画像では紹介しきれていませんが、暖炉の中や壁の中に消える場面、森の中に浮かび上がる場面、フライングなどダンサーと息を合わさなければならない本当にたくさんの仕掛けがありました。
シルフィードを演じられたレニングラード国立バレエのオクサーナ・シェスタコワさんも日本のセットでシルフィードを踊るのは初めてなので最初はかなり心配されていたようですが、本番ではしっかりと我が社のセットを信頼してもらえたようです。
今回は我が社のスタッフのほとんどが初めて経験する仕事でしたが、おかげさまで大成功だったと思います。
川副バレエ学苑関係者のみなさん、本当にお疲れ様でした。また次回もよろしくお願いいたします。