クリスマスの夜に、博多座市民檜舞台の月の最後を飾ってHAKATAZA 12 CHRISTMAS COMPANYによる博多版「くるみ割り人形」全幕公演が行われました。
HAKATAZA 12 CHRISTMAS COMPANYとは聞きなれない名前ですが、実は福岡市の古森美智子バレエ団研究所代表の春日桃子さんの呼びかけでクラシックバレエはもとよりジャズダンス、タップダンス、演劇集団、ピアノ奏者、津軽三味線奏者、日本舞踊家元、衣装美術家等、ダンス・音楽のジャンルの枠を飛び越えて集まった各界の一流メンバーたちが「ワクワクドキドキ心が沸き立ってくるような舞台を12月に作ろう!」と立ち上げられたプロジェクトです。
その HAKATAZA 12 CHRISTMAS COMPANYがクリスマスにみんなで舞台をやるなら、やっぱり「くるみ割り人形」 でもせっかくの博多座公演なので博多版「くるみ割り人形」にしようと決定したそうです。
博多版と銘うつだけあって、クラシックバレエの名作「くるみ割り人形」とは、少しばかりお話も変わっています。まず舞台は地元博多に設定され、くるみ割り人形をくれるドロッセルマイヤーは博多人形師の源さんということで、この博多人形師が昔恋した女性からもらったくるみ割り人形を姪のくらら(クララ)にあげたことから不思議な世界を旅することになります。博多人形師の思いが昔の恋人へ届くのかというのが一番の見せ場になっています。今回、博多人形師が思いを寄せる昔の恋人役に、このプロジェクトに大変賛同された歌舞伎役者の中村福助さんが特別出演され舞台をさらに華やかにしていただきました。
で私たち裏方、舞台スタッフの仕事もキャストに負けじと、かなりハードでした。ポピュラーな「くるみ割り人形」だと1幕居間のセットで繰り広げられるネズミたちとの戦いの場面を建設用足場資材のイントレを複雑に組み込んだセットにして明かりがついたまま持ち出して飾ったり、雪の国や道行場面、2幕の各場面に関しても博多座の舞台機構(回り舞台や各サイズ複数の迫)をふんだんに使用し転換していくので、息つく暇なく舞台の後ろや袖で走り回っていました。
いろいろな面でものすごく大変な舞台でしたが、キャストの方たちの熱演も素晴らしく、とても楽しく見ごたえのある舞台になったと思います。関係者の皆さん、本当にお疲れ様でした。
最後に2012年、この投稿が最後の投稿になると思います。5月の終わりに、このブログを立ち上げて、あっという間に7カ月がたちました。想像以上の多くの方々に覗いていただき、またいろいろなコメントも書き込んでもらい、とてもうれしく思っています。
今年ブログで紹介してきた現場は私一人で全部担当したわけではありませんが、我が社のスタッフの仕事ぶりや舞台裏の面白いエピソード等を一つでも多く紹介するために同僚や後輩の現場も取材しました(裏山の土手崩れ修復は正真正銘、私一人でやりました・笑)
来年も少しでも皆さんに興味を持っていただけるような記事を投稿していきたいと思いますので、よろしくお願いします。それではみなさん良いお年をお迎えください。