第10回 三津会 舞踊会

4歳の可愛い羽根の禿
4歳の可愛い羽根の禿

先週は大分県の津久見市市民会館で開催された「第10回 三津会舞踊会」に於いて、大道具、照明を任せていただきました。

三津会は津久見市や臼杵市で長く日本舞踊の発展と普及に御活躍されている花柳 愛知代先生が会主を務められています。正直なところ、最近は日本舞踊を習われる若い方がめっきり減っているのが実情なのですが、愛知代先生のお弟子さん達は私から見ると驚異的なほど若い方の占める割合が多く、今回も娘盛りの女性9名もの名披露目がありました。その他にも2歳の女の子や保育園児、小学生や中学3年の男の子まで、とにかく若さ溢れる子たちが大人の先輩たちに負けじと元気な舞を繰り広げました。

鷺娘の登場稽古風景
鷺娘の登場稽古風景

それでは今回の舞踊会で使用した大道具をいくつか紹介してみます。

まず最初は、長唄 鷺娘で使用した「おたまじゃくし」です。鷺娘は白鷺の精が美しい娘に化身して夕暮れの池辺にたたずむ姿をぼうっと浮かび上がらせるところから始まります。舞台演出上ほとんどが迫に乗って奈落から舞台上に上がってくるのですが、今回の会場である津久見市民会館には迫の機構が無かったので久しぶりに「おたまじゃくし」を用いました。

写真でもお分かりのように名前の由来は形がおたまじゃくしに似ているから、そう呼んでいると思うのですが、蛙の子のオタマジャクシからなのか、オタマジャクシの本来の名の由来のスープなどをすくう調理道具の御玉杓子からなのかは、正直私にもわかりません(汗)

吉野山 稽古風景
吉野山 稽古風景

この「おたまじゃくし」の上に立ち方を立ったまま乗せて舞台袖から舞台中までゆっくりと大道具さんが押し出していくのです。揺れないように慎重に押し進めなくては、ならないので単純な作業ながら結構緊張します。

忠信登場直前 緊張の待機時間
忠信登場直前 緊張の待機時間

次に紹介するのは義太夫 吉野山で使用した桜のセットです。吉野山は6月博多座大歌舞伎市川猿之助襲名披露でも演じられる義経千本桜(博多座で演じられるのは宙乗りや欄間抜けなどで有名な通称四の切、 川連法眼館カワツラホウゲンヤカタです)の最初の道行の段になります。静御前の前に実は鼓に張られた狐の子である忠信が現れる場面で使用しました。一瞬の暗転中に忠信が花道まで桜の裏から飛び出してくるという演出です。(鷺娘も吉野山も実際の登場場面は照明が暗いので私のカメラでは写りません)

夕顔棚稽古風景
夕顔棚稽古風景

最後に清元 夕顔棚です。私もこの踊りは初めてつき合わさせてもらったのですが、本当に面白い踊りでした。お盆の晩に湯上りの老夫婦が夕顔棚の下でお酒を酌み交わしほろ酔い機嫌で踊ったり、歌ったりの楽しい舞踊でしたが、それにもまして会主の花柳愛知代先生と花柳翔乃愛さんの軽妙な芝居と踊りで会場のお客さんを最後まで抱腹絶倒で湧かせてくれました。

愛知代先生、これからもたくさんの若いお弟子さんを育て上げて、この国の伝統文化をお守りください。よろしくお願いしま~す(夕顔棚の写真、ピンボケばかり撮ってしまって、先生の正面アップが出せませんでした。ゴメンナサイ!!)

 

 

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